プレスリリース

調査:機関投資家は、気候変動をESGの優先課題に位置づけているが、気候リスクの統合は遅れている

2021年11月23日

 

気候変動は機関投資家にとってESGの優先課題と考えられているものの、ほとんどの投資家が、投資ポートフォリオに気候リスクを考慮することの課題に直面していることが、マッコーリー・アセット・マネジメントの新たな調査によって確認された。

マッコーリー・アセット・マネジメントは、資産運用会社、銀行、コンサルタント・投資顧問、財団・基金、保険会社、年金基金など世界の180の機関投資家を対象に調査を実施した。これらの投資家の運用資産を合計すると21兆米ドルを超える。

回答した投資家の半数以上が気候変動を主要なESG問題として選択しているが、現在、ポートフォリオの一部またはすべての排出量を把握している投資家は47%にすぎず、46%は一般的に、投資ポートフォリオにおける気候変動の物理的リスクおよび移行リスクに対応していない。回答した投資家のうち、2050年までに投資ポートフォリオをネットゼロにすることを確約している投資家は35%に過ぎない。回答した欧州・中東・アフリカ(EMEA)とオーストラリア/ニュージーランド(ANZ)の投資家は現在、ポートフォリオにおける気候リスクへの対応において先行しているが、アジアと米州の投資家は、気候分析と資産配分の強化を通じて、今後数年間においてESG統合を加速させる意向であることが示されている。

マッコーリー・アセット・マネジメントのクライアント・ソリューション・グループの責任者であるフィル・ピータース氏は次のように述べている。「今回の調査結果は、機関投資家による投資アプローチへのESG要因の取り込みの進展を浮き彫りにしている一方、気候変動がもたらす物理的リスクや移行リスクが投資ポートフォリオに与える影響をより深く理解し、管理する上で、機関投資家が依然として直面している多くの課題も浮き彫りにしている。これは、ほとんどのポートフォリオの多様性を考慮すると、簡単なプロセスではない。つまり、資産所有者と資産運用会社は、既存・新規のESGリスクと機会の両方を特定、評価、管理しようとする投資家を支援する上で重要な役割を果たすことになるということである」

調査対象となった機関投資家のほとんどは、過去2年間にESGの成果を分析・開示し、サステナビリティの取り組みを統合した製品に資本を配分する手法を改良したと答えている。専門のESG機能を備えていると回答した企業の割合は、マッコーリー・アセット・マネジメントが2019年に行った前回の調査の47%から59%に増加している。回答者の89%は今後2年間でESGをさらに重視する予定であることを示しており、大多数の回答者が積極的なサステナビリティ戦略によって財務的リターンを改善できるとの見方を共有していることから、こうしたESGへの関心はさらに強まると見られる。

回答者の82%が、サステナビリティの実践を統合する投資戦略へのコミットメントを増やす意向を示し、77%が特定のESGの成果を目標とする製品や運用会社に対して同様の方針を見込んでいることを踏まえると、ESGの重要性の高まりは、資産配分プロセスにおいてますます影響力を持つようになると見られる。サステナブル投資が投資コミュニティの非主流派から主流へと変わるにつれて、ESGリスクの高い資産やセクターを積極的に売却する投資戦略も増加する可能性がある。

ESG統合に対する機関投資家のアプローチに関するこれらの調査結果や、その他の洞察に関する詳細については、こちらから報告書全体をご参照のこと。

 

編集者への注記

  • 21兆米ドル超の運用資産を運用している180の実物資産投資家を対象とした調査。
  • この調査は、オーストラリアおよびニュージーランド(11%)、アメリカ(22%)、アジア(31%)、欧州、中東、アフリカ(36%)からの参加者の意見を反映している。
  • 回答者には、資産運用会社、銀行、コンサルタント/アドバイザー、財団/基金、保険会社、年金基金、その他の種類の機関投資家が含まれる。
  • 調査参加者の詳細については、本レポートの4ページをご参照のこと。

 

メディアへの問い合わせ先

パトリック・ギャラガー(Patrick Gallagher)
マッコーリー・アセット・マネジメント
電話:(44) 77 9535 3820
Eメール:patrick.gallagher@macquarie.com

 

マッコーリー・アセット・マネジメントについて

マッコーリー・アセット・マネジメントは、すべての人々に前向きな影響を与えることを目的としたグローバルな資産運用会社である。 当社は、機関、年金基金、政府、および個人から信頼を得ており、世界で5,310億米ドルを超える資産を運用している。インフラおよび再生可能エネルギー、不動産、農業および自然資産、アセット・ファイナンス、プライベート・クレジット、株式、債券、マルチアセット・ソリューションなど、幅広い分野で専門的な投資ノウハウを提供している。

マッコーリー・アセット・マネジメントは、債券、株式、および商品について、資産運用、ファイナンス、銀行業務、アドバイザリー、リスクおよび資本ソリューションをお客様に提供する多角的な金融グループであるマッコーリー・グループの一員である。マッコーリー・グループは1969年に設立され、33の市場において17,000名以上の社員を擁し、オーストラリア証券取引所に上場している。

数値はすべて、2021年9月30日現在のものである。詳細については、Macquarie.comを参照のこと。

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